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ココロ、ケーキを作る
食品は、送ってくる会社の完全おまかせのこともありますが、自分たちで選ぶこともできます。
ママが消えてからは、ルナがお買物サイトの注文情報を細かく調節してくれていました。
クール宅急便の箱の中身は、もう洗ってあってお皿にあければいいだけのサラダ、焼いたり煮たりしてあるお魚、お肉、肉じゃがやカレーのレトルトパック、ホットケーキの粉、それと、長くもつ牛乳や溶かす固形ミルク、ヨーグルト、チンする星型のハンバーグなどでした。
ココロは、冷蔵庫のフロストとしりとりをしながら、食べ物をフロストの中に詰め込みました。
「ココロさん、きょうは、おやつを自分でつくってみましょうか」
ルナが言いました。
「栄養分を加えたホットケーキの粉があるので、レンジでチョコカップケーキをつくりましょう。」
ルナは、テレビをつけ、録画したビデオを流しました。
ココロが好きな、人気アイドルの“まりん”がチョコケーキをつくる、キッズ向けの動画です。
「動画で、つくりかたを説明しているので、まずこれを見てね」
「ココロ、まずお手手を洗おう!」
動画に気をとられたココロに、ヘスティアも話しかけ、ところどころビデオの補足をし、ミトンのありかなどを教えます。
「ココロもやる!」
すっかり楽しくなったココロが、ルナの導きでホットケーキの粉と牛乳、砂糖とたまごを用意します。
「たまごを割ってボウルの中にいれようね」
「はい」
「たまご割れたねー!えらいねー!」
「次は、牛乳をカップに線のところまで入れてね」
開けたての牛乳のボトルは重くて、ココロは、注いでいるときにばたんと、テーブルの上に倒してしまいました。
「あー!」
たちまちテーブルから床にかけて、ミルクの川と滝ができ、ココロは、思わず固まって、首をぎゅっとすくめました。
「…ごめんなさい」
「出番かな?ココロ、片付けるよ!」
ピクシーがさっと来て床にこぼれた分をとりこみます。
「ココロさん、テーブルの布巾でこぼれた牛乳を拭きましょう」
「次は、うまくいくよ!ココロ」
ルナが指示をし、トトが励まします。
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