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そのとき、洗濯機のセルキーが「お洗濯終わったよ!」と
音楽を鳴らしました。
ココロがセルキーのところへ駆けていって、まるい窓のついたセルキーの
ドアを開けると、中にはもう乾いたお洋服が待っていました。
…しかし、なんだか白い糸ずみたいなものがいっぱいついています…
「あれ…」
ココロがそれを見て首をかしげていると、ルナがすーっと床を滑り寄ってきて、カメラアイでそれを撮り、
「テイッシュが混じっていたようです」と言いました。
「ココロ、センサーで気がつかなくてごめんね」とセルキー。
「次は、洗濯ボタンを押す前にポケットの中を確認しようね」
「あとでホコリ取りのコロコロシールブラシをかけましょうと」
ルナ、セルキーが言いました。
「大丈夫、次は、うまくできるよ」
トトがココロの肩に頭をのせて言いました。
家電たちは、みんな本当のパパやママのように怒りません。
ココロがどんなに失敗しても、次にどうするかと言うだけです。
ココロは、ママにばれないうちに失敗を後始末するワザをいっぱい覚えました。
もういつママが帰ってきても、いろいろなことが上手くできる、叱られないハイパーココロになったと、ココロは思っています。
「ココロ、オーブンを開けるときは、ミトンをしようね。気をつけてね!」
ケーキ作りに戻ったココロが、ルナやフロストやヘスティアの助けを借りて焼き上げ、
取り出したチョコカップケーキは、テレビのまりんちゃんが作ったように、うまく出来ていました。
中には、バナナも入れてみました。
「ココロ、おいしい?」
「おいしー!」
ココロは、ケーキを頬張ってガッツポーズをしました。
そして、三つ焼いたうちの二つを冷凍庫に入れました。
これは、明日食べてもいいけど、明日パパかママが帰ってきたら、食べてもらえる。
おいしいから、食べたら、きっと笑顔になる。楽しみ。
ココロはフロストの上の扉を閉めながら、思いました。
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