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「まりあさん、まりあさんには、サポートが必要です」
ルナは、なんだか今まで聞いたことのない音色で語りかけました。
何も反応できずに立っているココロの肩を、ふわっといいアロマの匂いと涼やかなやさしい風が包みました。
「ココロさん、ココロさんの部屋の温度を少し涼しくしておきました」
シルフィの声がして、トトがココロの手を引っ張ります。
「ココロ、お部屋に行こう。ミルクがあるよ」
トトの足の先の上にフロストから出したミルクのミニパックが乗っていて、腹と左腕のあいだで抱え込まれています。
ココロは、うずくまっているママを見て、少し躊躇していましたが、トトに、もう一度手を引っ張られると、
「うん」
とお部屋に行きました。
リンゴン。
ココロが、ラグマットに座って、まだ少し震えながら、トトとパックミルクを少しずつ飲んでいると、玄関のチャイムが鳴りました。
スピーカーからは、
「すみません、**市警察です。通報を受けて参りまして。開けてもらえますか」
と男の人の声がしました。
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