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「……まだ、いたんですか」
「……塔弥様申し訳ありませんが、まだ13歳の塔弥様ではお一人で生きていくには少々……それに」
「西円寺口説い、大きくなったなぁーっ塔弥ーっ、相変わらず可愛いなぁーっ、覚えてるか、憐弥兄様だぞ……塔弥一緒に帰ろう」
高級車から出てきたのは僕、大木戸塔弥の兄空焔陣憐弥、白い学生服に身を包んでいても格好いいスタイルに顔をしている。
「くっるしっ」
車から降りてゆっくりと歩いて喋っていたが、僕を抱き締めて少しだけ身体を離して真剣な顔をする。
「あっ、ごめんな……つい」
「……どうして」
「お母様とは連絡を取り合っていたんだよ、籍だって抜いていないしな」
憐弥お兄様の言葉に驚く籍を抜いていないってどういう事だろうか、離婚していたんじゃないの。
「……離婚していたんじゃないの」
「アハハッ離婚してなんてないんだよね、強いて言えば、別居中かなぁ……それに、お母様パーティーには出ていらしたよ」
憐弥お兄様の言葉にげんなりとする、嘘でしょう。
空焔陣の妻が安アパートって、ハッとする。
「もしかして、警備員付いてる」
「んーあぁ護衛もしっかりしているに決まっているよ、お母様は奥様だしねそれに、塔弥は息子だからね」
憐弥お兄様は又ぎゅぎゅっと抱き締めてくれる、そして急に身体が浮き上がる。
「うわっ」
「塔弥ーっ本当に大きくなったんだねっ」
そのまま僕は車に乗せられる、それもパッタンと扉が閉まった瞬間に施錠されているし。
「ーっまって」
「待たないよ、編入ももう決まっているからね、久しぶりにお友達に会えるよ」
ふるふると首をふるう、又あの学園に通う事は嫌だし今の友達に会えなくなるのは嫌だ。
「ーっっ、学園には行かない………行きたくないっ」
「んんっ…なら無理しないでいいよ、質は落ちるけど…………浅川学園ならいいよ」
浅川学園は初、中、高の学園で確か共学だったよね。
幼等部の頃の友達が、初等部は浅川に行くと言っていたっけ。
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