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「……やっぱり、ここにはいられ」
「……ーっ」
メイドが悲鳴をあげて、執事の一人が塔弥を抱き上げる。
「……しばらく、あの部屋に入れといて」
塔弥を抱き上げている執事が頭を下げる、そして塔弥を抱き上げたままレトロなアンティーク調の廊下を歩いて消える。
「ーっっ宜しいのですか、塔弥様を」
「……仕方ない、云う事を聞かない聞き分けが悪い子が悪いんだ」
メイドが吐息を付き、リビングとは言えない食堂のドアを開ける。
「お食事は」
「軽めのを頼む、目が覚めた様なら……トマトリゾットと紅茶にアイスを塔弥に持っていって欲しい」
カチャッと燐弥の弟であり、塔弥の兄である、空弥が入って来る。
「…………塔弥が帰って来たって、どこにいる」
「…………例の場所だ」
「……例の場所って座敷牢じゃないよな」
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