第1章

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「……やっぱり、ここにはいられ」 「……ーっ」 メイドが悲鳴をあげて、執事の一人が塔弥を抱き上げる。 「……しばらく、あの部屋に入れといて」 塔弥を抱き上げている執事が頭を下げる、そして塔弥を抱き上げたままレトロなアンティーク調の廊下を歩いて消える。 「ーっっ宜しいのですか、塔弥様を」 「……仕方ない、云う事を聞かない聞き分けが悪い子が悪いんだ」 メイドが吐息を付き、リビングとは言えない食堂のドアを開ける。 「お食事は」 「軽めのを頼む、目が覚めた様なら……トマトリゾットと紅茶にアイスを塔弥に持っていって欲しい」 カチャッと燐弥の弟であり、塔弥の兄である、空弥が入って来る。 「…………塔弥が帰って来たって、どこにいる」 「…………例の場所だ」 「……例の場所って座敷牢じゃないよな」
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