第1章

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空弥の顔が歪む、部屋を出ていこうとするが、燐弥に止められる。 「行ってどうする」 「どうするもこうするも、実の弟だぞ」 「なら、みすみす施設に行こうとする子を牢から出すか」 カタッと紅茶をソサーに置き弟をみると、空弥の顔色が真っ青になっている。 双子の兄弟で同じ顔をしていても、性格はまるで違う。 「ーっ施設にって」 「……施設に行きたいらしい、もう空焔陣とは関係ないからと……………通り名だけでも大木戸にしたのが間違いだったらしいな」 絶句している空弥は素直だ直ぐに顔や態度に出る、対して双子の兄だが、空焔陣の跡取りとして育てられた私は厳しく育てられて、双子なのにと理不尽に思い、空弥とは会えば喧嘩ばかりだった、だが変わった。 塔弥という可愛い弟が産まれた事で。 「……塔弥はやっぱりこの家が」 「俺たちで守ればいい、これからお母様の同じ様に」 「それだけの力は付けた、もっともまだまだだけどさぁ」
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