真夜中の海岸線

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朔月から始まったそれは完全な姿をとったと思えば再び欠けていく。 無条件に注がれる光を余すことなく瞳に落とした。 煌めきの残滓はちかちかと私の中を駆け巡って、思わず瞼を閉じてしまいたくなる。 善意も好意も、時に傲慢で勝手な振る舞いを見せる。 勝手に入ってこないでくれ。 救った気にならないでくれ。 私は露出した腕に爪を立てながら呼吸を繰り返す。
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