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竜宮城の乙姫の正体は、きっと人魚なのだと思う。
なぜなら、目の前の彼女は夕陽を映した海面のように赤い鱗を煌めかせ、確かに魚達と舞い踊っていたのだから。
青白い照明に照らし出された大水槽の中を──
無彩色のエイたちと空を飛ぶように。
銀色に光るイワシたちと群れるように。
極彩色の熱帯魚たちと戯れるように。
ガラスの向こうに青く揺らめく竜宮城。
そんなあり得ない光景に特別な反応を示さない人々の中、僕だけが開いた口の塞がらないままに彼女の姿を追っていた。
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