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「はぁ、はぁ、はあっ……やっと、、、逃げられた……。」
建物をでると、そこは、森でした。幼い頃の記憶を辿っても、ここが、何処なのか分かりません。なにせ、外へでたのは10年ぶりです。
───おまえは、実験動物としていきていく運命なんだよっ!
───なんせ、狼に変身できる”人間”だもんなァ。
───人と狼が夜に子供作ってできた、生まれてはいけなかった存在だもんな!ハッハッハッ!!
───狼さんよぉ、殴ってやろうじゃねーかへっへっへっ
───あ、痛ってー!こいつ噛んだ。檻の中にでも閉じこめてしまえ!
「……頭が痛い。」
思い出してしまった嫌な記憶を放棄した時、
「おっと、狼さん、私達に包囲されてると気づかないとは。もしかするとあなたの中に私達の存在は皆無なのかもしれませんねぇ……それはいけませんねぇ。帰ったら、相当痛めつけてやりましょうか……。さあ、あなた達、捕らえなさい。」
私はもう、終わりなんだ。と思いました。絶望しか頭の中にはありませんでした。
私は、全ての運命を呪って、死のうとしました。
勇気を出しながら奪ったナイフを持って、この人たちから見えない位置で、腕の太い血管を切ろうとしたその時、
────「こっちへ来るんだ!!急げ!」
彼に出会いました。
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