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「いや!俺じゃねぇーよ!!」
さて、そんなこんなで具材はすべて投入され、一度蓋をして火にかけると。
10分後にはなんとも言えない匂いを放ちながらも闇鍋が完成した。
「・・・まじでこれ食うの?」
「当たり前だろ!さっさとよそえよ!」
家主の男が周りを急かし、俺は恐る恐る鍋の中身を掬い自分の皿に取り分けた。
そして、最初はスープからという家主のアイディアのもと俺たちはタイミングを揃えて口へと運んだ。
「・・・あれ?意外とイケるんじゃね?」
一人が感想を述べる。
「ほんとだ!全然食えるぞ!」
俺も同意見だった。
美味しくないことには間違いないが、匂いにさえ目を瞑れば決して食べられないほどではない。
結局、その後には鍋の具材を当てるちょっとしたゲームが始まり、なんやかんやとすべて食べつくしてしまった。
「いやー、食った食った」
「思ったより盛り上がったな」
正直、闇鍋なんて悪乗りで終わるだけだと思っていたものだから、僕もこの結果には大いに満足していた。
「ていうかお前マジで何入れたんだよ!?」
そういえば、俺たちは互いにすべての具材を言い当てることができたが、家主の具材だけは全く当てることができなかった。
「秘密だよ!秘密!」
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