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闇鍋
「闇鍋しようぜ!」
学生時代、アパートで独り暮らしをする友人の一言で、俺達4人は4畳半の狭い空間に四角テーブルとコンロを詰め込み、鍋を囲むようにして陣取った。
ゴクリと生唾が飲み込まれる音が聞こえた。
俺たちの足元には不透明なレジ袋やタッパーが用意され、そこには当人にしか知らない何かが入っている。
まさか食べられないものを持ち込むような奴はいないだろうが、人の物にケチつけられない程度には俺が持ち込んだ食材もエグイ。
納豆、キムチ、スライスチーズの腐臭トリオ。
『若干やりすぎかも・・・?』二の足を踏む心をそれこそタッパーの様に蓋をして、『せっかく闇鍋をやるのなら行けるところまで!』そんな思いで持ってきてしまった。
「よっしゃ、じゃあ始めるか!」
家主の男が水を張った鍋をセットし、部屋の電気を消したところで、思い思いに具材を鍋へと投入する。
ポチャン、ボチャ、ブリュ、ベチョ。
普通じゃ考えられないような効果音もちらほらで、俺は不安を募らせながらも追従して鍋へとぶち込む。
「うわっ!くっせ!だれか絶対納豆持ってきてるだろ!」
過敏に匂いに反応する左隣の男。
俺は適当に同調して別の友人に罪を擦り付けた。
「ほんとだ!くっせ!ぜってぇお前だろ!」
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