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いつもはカイと二人きりの食事も、柊凛が加わるだけでとても賑やかで楽しい食事になった。心なしかカイもいつもよりたくさん食べて嬉しそうだし、同じ食材のはずなのにいつもよりずっと美味しく感じる。 夕飯は俺が昨日適当に作り置きしておいたカレーなのに、彼はそれを一口含むと目を見開いて驚いていた。 「こんなに美味しいもの、食べたことない…」 「何言ってんだよ。ただのカレーだよ?まあ二日目のが美味しいとは言うけど」 「本当だよ。今まで食べた中で一番美味しい」 「そこまで褒めなくても…大袈裟だなぁ」 カレーひとつでまさかここまで喜ばれるとは思っていなかったが、その後も彼は本当に美味しそうに食べてくれるものだから俺も嬉しくなって、本当に自分の作ったカレーが絶品なような気さえした。まあそんなわけないのは分かってるんだけど。 その後も柊凛は客だから何もしなくていいって言ったのに、率先して家事をやろうとしてくれた。彼の仕事はとても丁寧なのに何でもパパッと終わらせてしまうもんだから、いつもよりずっと楽だったし何より楽しくてしょうがない。おかしいな。 やっていることはいつもと何も変わらないはずなのに、二人でやるだけでその家事がすごく楽しいことのように思えるなんて。 というか、流石一人暮らししているだけあってやっぱ何でも出来ちゃうんだなぁと改めて感心する。運動も勉強も出来てその上家事までこなすなんて…そんな人間が実在するとは。 「布団、こっちの部屋に敷いといたけどいい?」 「うん、ありがとう」 「俺隣の部屋にいるから、何かあったら呼んで」 「うん…」 「どうかした?」 「いや、やっぱり広いなぁって思ってさ」 そう言って柊凛は木の壁で覆われた部屋をぐるりと見渡し、襖越しの俺に視線を戻した。柊凛の寝間着にはほとんど着ていなかった俺のスウェットを貸したんだけどその緩い感じも何故か様になっている。
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