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――ひゅうぅぅ、ぅぁぁ、っ
「ね、ねぇ? あと、だんだん音が、大きくなってきてない?」
「はい。どこか耳障りな、甲高い音が先ほどよりも大きく……」
――ひゅうぅぅ、ぅ、ぅあぁああっ!
「……っ、葵様っ!」
「えっ!?」
「うわあぁああっ! 助けてぇぇ、っ!」
――ボンッ!!
「ぎゃっ! ゴホッ、ゴホッ! 何、コレっ? ゴホッ!」
「葵様! 大丈夫ですかっ?」
「だ、大丈夫……ゴホッ。でも、なんで、いきなり煙が……ケホッ」
何が起こったのか、全然わかんない。
ずっと聞こえてきてた変な音が近づいてきたと思ったら、それは誰かの叫び声だった。
……気がする。
でも、そのことに気づいた途端、いきなり湧き出てきた真っ白な煙の中に包まれちゃったのよ。
その時、ものすごい衝撃を身体中に受けた気がする。
けど、どこも痛くない。
きっと、咄嗟に抱きしめて、かばってくれた十蔵さんのおかげね。
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