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何が起こったのか、全然わかんない。
今朝、十蔵さんとふたりでお庭に出た時に、ソレは起こった。
誰かの叫び声が風の音に混じって接近してきたのと同時に、私たちふたりは、突然真っ白な煙に包み込まれた。
その煙が消え去ったら、私と十蔵さんは変身してたの。
「うわわわわ! 兄上が! 葵様がぁ!
いったい何があったのです? この、獣の耳は、どういうことなのですかっ?」
驚きの、ケモ耳キャラに。
うん、そうよねー。びっくりよねー。
十蔵さんの異母弟、宗次郎さんの喚き声が、料亭『瀧川』の二階奥の座敷に、響き渡った。
いったんお部屋に私たち全員を連れ戻したとらさんが、主治医である千代菊さんを呼びにいってくれてる間、朝餉を部屋まで運んでくれた宗次郎さんだったんだけど。
部屋の襖を開けるなり、その表情は驚愕で引きつった。
そして、質問の嵐。
でもね、宗次郎さん。いったい何がどうなって、こうなったのか。私も十蔵さんも全然わかんないのよ。
なんで、いきなりケモ耳キャラになっちゃったのか。
私たちこそ、その理由を知りたいんだってばぁ!
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