さうざうしくない

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いつもなら、そのまま視界から消えるはずの本と手の甲が動かない。 視線を上げると、 「あ、やっと目があった」 少し嬉しげに口角を上げて、イケメンが言う。 ピコーンピコーンピコーン 私の中で、警報がなる。 ピコーンピコーンピコーン 「またヨロシクね、藤原さん」 そして、 「柏木くんも」 キラースマイル放って去るイケメン。 PC画面見なくても分かる。 立花さん、だ。 そして、先輩を「くん」で呼ぶのも当然、同じように2年生だったはず。 えーと、私のミーハーな友達に言わせりゃあ、「恋のチャンス到来だよぅ!図書室ラブ!素敵じゃない!!」と、売れるくらい大量にハートマーク発生させてくれるんだろうけど。 警戒せよ、です。 人生に、うまい話は転がってません。 イケメンには美人の彼女か幼なじみかよく分からんけど、なんでもいるんです。 じゃあ、なんでラブコメ風味?
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