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「委員会なんて、月イチもないじゃない。当番だって、ウヤムヤでさっ」
「そう言うな。図書委員会というものは、最初から一部の本好きの趣味による奉仕によって成り立っているものだ。…いつでも、どこでも」
なんか噛み締めるように言っているのだけれども。
「入学当初から、図書委員に強制内定されてた私は何なんでしょうかねっ」
「いや、いい労働りょ…暇つぶしになってるだろ?」
…労働力って言ったから。
はっきり言ったから。
はぁ、ため息ひとつ。
ついてる間に、湊兄ちゃんは、柏木先輩に話を振っていた。
「いいことだってあるだろ、柏木?」
そう言う湊兄ちゃんの手には、2冊の本。単行本って言う、文庫本じゃなくて、ふつうに大きい、重たい感じの本。
柏木先輩の顔が、ふわっと明るくなる。口元ははっきり笑っている。
「この瞬間は、やってて良かったと思います」
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