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普段大人しくて着飾らない人間が、いきなり洒落た格好になって、自信に満ちたオーラを纏いながらやって来たのだ。昨日までは全くそんな兆しのカケラもなかったのに。
だからさすがに驚いた。
だが、とにかく良い方向に変わる分には問題ないと愛美は思っていた。
問題になるのは、これが悪い方向に傾いたときだ。例えば子どもの方に痣が増えて血だらけで保育園に来るだとか……さすがにそれは言い過ぎかもしれないが、瑠衣の場合それは充分あり得ることだった。
愛美は瑠衣の左脚にある大きな痣に、前々から気付いていた。こういう場合、マニュアルでは直ちに報告だ。最悪の場合、その子の命にかかわる可能性もある。ともかくコトが起こる前に対処しなければならない。
だが……
愛美は、どうしてもそこに踏み込めなかった。
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