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「夢香……今日はカエルさんで我慢して?」
「えぇ~いやだ! うさちゃんがいい!!」
我が子は頑なだった。
──まったく、誰に似たんだか。
恵梨香は頭を掻いたが、そのとき彼女の視界に壁時計が入った。
只今8時15分。この時点で、いつもより5分オーバーだ。
「うわっ、やばっ……夢香! はやく靴下履いて!」
「うさちゃんは?」
「洗濯してるし無理! ほらほら、早く保育園行くよ!」
渋る娘を玄関に促しながら、恵梨香は大慌てで玄関のドアを開けた。
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