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「2週間ほど前から、連絡が取れなくなったそうです」
そのとき、刑事がポツリと呟いた。それと同時に、閉まる寸前だったドアはピタリと止まった。
「ご主人の勤める工場の主任さんから、先ほどお話を伺いました。博之さんは無断欠勤なんていままでしたこともなく、極めて仕事熱心な人だったとか……」
刑事は閉まりかけたドアに手をかけた。
「奥さん、ひとついいですか?」
悦子は俯いたまま何も言わなかったが、刑事は構わずその質問をぶつけてきた。
「ご主人はいまどこに?」
悦子はゆっくりと刑事の表情を伺った。彼の顔は穏やかというにはほど遠く、その目は獲物を見つけた鷹のごとく鋭く悦子を見つめていた。
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