発症

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「檜山様がインターネットで検索されたコールドスリープの内容が現在大学、企業等で公表されている全てなのですがそれはまだ世の中で受け入れられがたい技術であるのと公表することによるデメリットが大きいと判断し、意図的に発表していないのです。」  「ちょっとまってくれ人の検索履歴がなぜわかるんだ?」  「檜山様の調査に入った段階で直近の検索履歴はしらべさせて頂きました。」  淡々と答える山本女史に怖さ以上に不気味さを感じる。  「ハイバネーションの歴史は以外に古く概念としては第二次世界大戦の時にナチスドイツ、旧ソビエト連邦、アメリカ合衆国、そして日本で研究されていましたが世間一般に知れ渡るのは1970年代 に延命を目的とした財団が富裕層をターゲットに冷凍保存を行い始めてからだと思われます。ただしこれはいずれ治療法が確立し、さらに細胞破壊することなく解凍する技術が確立されていなければなりません。」  「さらに高額な費用が発生することから一部の方のみが利用しているに過ぎず、カルトの様相を出ないものとお考えになる方が多いのも事実です。」  「つまりその財団とは無関係だというのか?」  「はい、まったく関係ございません。少なくともあの財団の方々は我々の所業をご存知ないと思われます。」  「あんたちは一体何者なんだ?人のDNAだけじゃなくネットの検索履歴まで調べるなんて、常軌を逸してるよ。狐や狸に化かされたと思ったほうがまだ現実的だね。」  「そうですね。ちなみに狐狸妖怪の類もお時間のあるときにメカニズムをご説明させて頂ければと思います。今回の研究に関係することなので。」  走る車のな中で山本女子は喋り続けた。そしてこちらがどんな声を荒げても的外れな質問をしても全て丁寧に答え続けてくれ、車を降りる頃には、  妻を救うにはすがるしかない。と考えはまとまっていた。  どちらにせよこのままではジリ貧だったことも確かなので藁でもコンビニ袋でも流れてくるものならすがりたい状態だったのも確かだ。  車を降りるとき  「では後日、もっと詳しいお話の出来る場所にご案内いたします。ご連絡は今日と同じ方法でさせて頂きますので。」
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