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翌朝、いつもどおりに出社するが仕事がまったく手につかない。夕べの出来事も夢だったのでは、もしくは新手の詐欺なのかとも思ってしまう。
普段だったらしないようなそそっかしいミスを何度かしてしまい課長に注意されてしまった。なんとかやり過ごし終業時間がきたときとりあえずあと15分くらいで帰れるような状態であったしとてもこれから次の仕事に取り掛かり残業する気は起きなかった。
キリのいいところで終わらせて帰り支度をしているとまた「非通知設定」からの着信があった。
「はい檜山です。」
とりあえず名乗ったが返事がない。
「・・・もしもし?」
間違いかイタズラだと思い切ろうとしたら
「あいつらを信じちゃいけない。」
「はい?なんですか?」
「長くは話せない。また連絡するが奴らを信じてはだめだ。」
そう言って電話が切れた。
隣の席の太田がこちらを見ているので、
「イタズラ電話だったみたいだ。こんな時なのに。」
「お疲れ様です。俺が出来ることあったら言ってください。仕事手伝うくらいしか出来ないですから。」
「ありがとう、何かあったら頼むよ。」
かるくお茶を濁したが今の電話はいったい何だっただろう。あいつらとは山本女史たちのことだと思われるがなんでこんな電話がかかってくるのか皆目検討がつかない。
狐につままれた状態とは今の自分のようなことを言うのだろう。
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