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「檜山さん、これからゆっくり説明します。ぼくはずっと檜山さんを監視、護衛するために派遣されて同じ会社に入社したんです。」
「もうちょっと分かるように説明してくれ。」
一呼吸おいてから太田が話し始めた。
「まず説明は長くなりますがご了承願います。とりあえず説明が終わったら質問を受けます。また奥様の木綿子さんですが我々が到着する前に奴らに攫われてしまいました。」
とんでもないことを普通に喋る太田に腹がたったしなにより攫われた?
「おい、攫われたってどういうことだ?しかも『奴ら』ってだれだよ。それにお前は何者なんだよ。わけわかんない事だらけだよ。」
「奥様については今全力で居場所を探しています。我々と奴らについてはこれから説明します。まだ安全な場所につくのは時間がかかるのでそこまで説明できる限りはいたします。」
腑に落ちないが今は聞くことしか出来ない。
「檜山さん学生時代に部活で怪我して入院・手術されたことありますよね。」
「あるけどそれが何か?」
「大学三年生の春に右足内足側副靭帯断裂、内視鏡手術をし1週間程度の入院とその後3ヶ月に渡る通いのリハビリを行っていますね。記録によると夏までずっとリハビリをされていました。」
「その通りだ、そちらの組織もいろいろ調べるのが得意だな。」
つい厭味を言ってしまうが、こんな話が続くとこんな話でも段々なれてくるものだなと妙に関心してしまう。
「その手術前の検査結果を見て檜山さんの遺伝子がとても稀有な形をしていることがわかったのです。」
「ちょっと待てよ俺が入院したころってそんなにDNA鑑定って簡単に出来ないだろ。血液型ならともかくなんで俺の遺伝子情報なんて調べるんだよ。」
太田が少し間をおいて話し始めた。
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