22世紀的懐古主義

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「ああ!?なんてー!?声が小さくて聞こえねーな!?」 「我々、商品開発部の見通しが甘かったからです!!」 「ちっ!やればでんじゃねえかとっと座れ!」 気の弱そうな社員はべそをかきそうになりながら、また静かに席に座った。 「この会社がここまでやってこれたのは、次にくる日本のブームを予見して、そいつを商品へと反映させて来たからだ!それなのに今のお前らと来たら、やれ最先端だの新技術だの顧客のニーズを忘れて好き放題やって、挙句の果てには物が売れないのは営業部の責任だぁ?なめてんじゃねぇぞ!」 机に拳が叩きつけられ、開発部の一同はビクッと体を震わせた。 「社長命令で俺がこの部署の指揮をとることになったからな!今後はビシバシ行くから覚悟しておけ!!」 言いたいことを言って溜飲が下がったのか、部長は少しだけ落ち着きを取り戻した。 「ふぅー。おい、そこのお前」 しかし、安心したのもつかの間。 気の弱そうな社員が、再び部長の槍玉に挙げられる。 「お前、次になんのブームが日本にやってくるか分かるか?」 「ブ、ブームですか?」 「そうだ!今、日本にはどえらい波がやってきている。それが何かわかるかと聞いているんだ?」 「わ、わかりません・・・」     
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