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A棟に着くと、そこにはまだ和人さんはいらっしゃいました。髪の毛は振り乱れ、息は整わず、それでいて私には袖がありませんでした。和人さんは私の息が整うのを待ってくれて、それからこう言いました。
「はい、これ。※※ちゃんおしゃれでしょう。俺、ファッションのセンスないんだけど、喜んでくれたらいいなと思って。」
紙袋を手渡されました。中を確認します。私は驚きました。なんと薄緑の可愛いブラウスではありませんか。
「季節らしい色選んだんだけど、どうかな。」
「あ、あ、ありがとう!」
走ったせいで水分を失った体が、遅れて汗を滲ませました。
もうすっかり夏です。
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