愛とプロムナード

7/8
前へ
/8ページ
次へ
A棟に着くと、そこにはまだ和人さんはいらっしゃいました。髪の毛は振り乱れ、息は整わず、それでいて私には袖がありませんでした。和人さんは私の息が整うのを待ってくれて、それからこう言いました。 「はい、これ。※※ちゃんおしゃれでしょう。俺、ファッションのセンスないんだけど、喜んでくれたらいいなと思って。」 紙袋を手渡されました。中を確認します。私は驚きました。なんと薄緑の可愛いブラウスではありませんか。 「季節らしい色選んだんだけど、どうかな。」 「あ、あ、ありがとう!」 走ったせいで水分を失った体が、遅れて汗を滲ませました。 もうすっかり夏です。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加