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そして今も、きっと日和さんに面倒臭いと思われてしまっているだろう。
そんなつもりで日和さんが大人っぽいとか言ったわけじゃないってことくらい、分かっているのに。
「確かにね。大人になるってなんだろうね」
日和さんは優しいから、話をそっと軟着陸させてくれたみたいだ。
これで、話はおしまいだろう、と思った。
思った、のだが。
「どんな大人になりたいか、なんじゃないかな。大人には多分、勝手になっていっちゃうから。その前にどんな大人になりたいかを目指すっていうか。これがすでに大人っぽい考え方かな?」
どうやら、まだ、話が終わってない。
「効率を追い求めはじめたら、大人? スマートになってきたら大人? んー、成人したら大人ってセンはもうないよね?」
日和さんはどんどん広げてくれている。
「漢字で書く『大人』と、カタカナで書く『オトナ』もちょっと違うよね」
散々うねうねと一人で議論した、最後に一言。
「青葉くん、面白いこと考えるね!」
日和さんは、僕に向かってそう言った。
面白い、と、そう言ってもらえた。
僕はそれがすごく嬉しくて、でも、なんか嬉しそうにしたら子供っぽいかな、と思って、必死に表情から隠した。
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