51人が本棚に入れています
本棚に追加
/211ページ
にしやんは、水沢の姉ちゃんのこと、好きになっちゃったんだろうな。
あんな顔をしたにしやんを中学からの付き合いで初めて見た。
ここ一ヶ月、図書館に来ないのは多分それが原因だ。
その映画づくりとやらを、一生懸命頑張ってるんだろう。
にしやんが水沢姉と付き合って、おれがもし念願叶って水沢妹と付き合ったら、にしやんはおれの義理の兄ちゃんだな。
こんな想像したら、吉野に怒られるか。
「吉野、ごめん」
小声で呟くと同時。
顔を上げた瞬間、心臓が飛び跳ねる。
おれの座っていた椅子がガタッと音を立てる。
「奈良、お疲れ。」
「お、おう、水沢。」
顔をあげたら水沢ひなたが目の前に座っていたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!