第一章(5/6) 横顔:奈良圭吾

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 にしやんは、水沢の姉ちゃんのこと、好きになっちゃったんだろうな。  あんな顔をしたにしやんを中学からの付き合いで初めて見た。  ここ一ヶ月、図書館に来ないのは多分それが原因だ。  その映画づくりとやらを、一生懸命頑張ってるんだろう。  にしやんが水沢姉と付き合って、おれがもし念願叶って水沢妹と付き合ったら、にしやんはおれの義理の兄ちゃんだな。    こんな想像したら、吉野に怒られるか。 「吉野、ごめん」  小声で呟くと同時。  顔を上げた瞬間、心臓が飛び跳ねる。  おれの座っていた椅子がガタッと音を立てる。 「奈良、お疲れ。」 「お、おう、水沢。」  顔をあげたら水沢ひなたが目の前に座っていたのだ。
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