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「君と米蔵とではかなり身長差があるし、米蔵はそれなりに鍛えている。力もスピードも君に勝っているはずだ」
「それは、この人が左脚を怪我してるから、それを利用して」
みずかがそう言った瞬間、浅香の目が見開かれた。後ろの男も驚きを隠せない表情で、自身の左脚を気にかけるように見た。
「いつ気づいた?」
「走ってきた時に」
「走り方に違和感があったか?」
「ちょっとですけど、まあ」
浅香も、米蔵というらしい高身長も信じかねている様子で、黙り込んでしまう。
「パッと見て、体のことは大体分かります。病気とかは無理だけど、身長とか、体重とか」
いらない情報だとは思いつつ、みずかはそう付け加える。このままだと話の埒が明かないし、質問が延々と続きそうだったからだ。
「米蔵のは?」
「一八五センチ、七八キロ」
「当たってるか?」浅香が振り向いて尋ねる。米蔵と呼ばれているその男は、目を丸くしており、「合っていると思います」とこぼす。
「身長なら目で見て判断するだろうし、まだ分かる。体重もか?」
「はい。昨日量ったばかりなので」
「…ちなみに俺のことはどれくらい分かる?」
浅香は訝しんで尋ねる。みずかは浅香の全身を眺め、分かることをそのままに述べた。
「身長は一七六センチ。体重は…多分六三キロ。年はアラフォー。えっと…足は二六くらい」
「成る程」浅香はそう漏らす。「能力はこれで間違いなさそうだな」
「でも〝視え〟ないんですよね?」米蔵が詰め寄る。
「ああ…、でも恐らくそうだ。かなり正確に言い当てている。レアケースだろう」
「そんなこともあるんですね…」
「…あの、さっきから何の話をしてるんですか」みずかは二人の会話に強引に割り込んだ。ああ、と浅香がみずかに視線を戻す。

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