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何より、マルテイシアさんの様子がおかしい。
「マルアさん、大丈夫ですか?」
「あ、え、ええ、ちょっと」
「危ない!」
隙だらけのマルアさんの背後に一匹、小柄な蜘蛛人間が忍び寄っていた。
「らしくありませんね」
「蜘蛛、苦手なんで」
「ええー!」
確かに、蜘蛛苦手な人多いですよね。
でも、この大きさになったら蜘蛛感よりモンスターでしょ。
何かトラウマがあるかも知れないけど、ここでトラウマ増やしても。
「あれ蜘蛛じゃないですよ、足の多いオッサンです」
「おっさん!?」
「半透明なシースルーの変態オヤジです」
小さな笑い声が聞こえた。
変態オヤジは変態オヤジで怖い気がするが、彼女にとっては蜘蛛よりは良いだろう。節のある細い八本脚ではあるが、リアルな毛羽立った感じの足ではなく、素材は水晶だから、虫感も少ないと思う。
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