勇者LV.3

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 眠くなる眠くなる、そう思うと、うつらうつらと、ふらついてしまう。  これはまずい。気付け薬を飲む余裕はない。  それどころか、盾で弾かれ体を浮かされてからの重い剣撃を食らった。  ここにきて出血か。大量に血を出すと睡魔どころではない。  鼻血ですら眠気を誘うのに、まともな出血だとなおさら。  間合いを取って回復魔法を使いたいが、後ろに下がろうとすると、同じ速度で間合いを詰めてくる。お互いに牽制しつつ、小さなダメージの積みあいをしている。  分が悪い。  機械的なモンスターは、初めから今までトップギアのままなのに、こちらは徐々に歯車が壊れてきている。出鼻を挫くのに失敗したのが悔やまれる。  サモナークリスタルから出現した時点で魔法ドーピング最大出力で攻撃していれば、こんな事にはならなかったのに。などと言ってももう遅い、今からでも魔法を使うか。 「そこっ!」  マルアさんの気合の叫びが聞こえた直後、激しい破壊音が聞こえた。
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