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しかし、その動きは、ほとんど動かないマルモースライムが如し。
一歩進むのに何分かるのか、分からないくらいスローに動いている。
こちらの動きはいつもと変わらない、むしろいつもより良好。
刃先をわざと紙一重でかわし、そのまま懐に潜り込む。
少々の眠気はあるが、意識は冴えわたり、次にどう動くか、その次はどう動くかのプランが、完全に構築され、その通りに動いてゆく。
鼓膜が押されるような外圧は感じるが、他に不具合も無い。
少々出血量は増えた気がするが、意識は明確。
殆ど繋ぎ目の見えない鎧の隙間を狙う。
恐ろしく硬い鎧だが、関節部分など、構造の複雑な箇所は、パーツも細かく、大きなダメージに対しての防御力は高くない。
膝裏の複雑な部分に、ツルハシを撃ち込むと、蛇腹のようなパーツが高音を上げて周囲に飛び散った。
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