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壊れた足のパーツからは、半固体の黒い物がチラリと見えるが、それがドロリと垂れてくる様子は無い。人の形は保っているのだろうか、中身は漏れ出してこない。
以前戦った時は、父の剣の一振りで消し飛んだので、どうだったか分からなかった。あの時の父のレベルはどれくらいだったのだろうか。
余裕が無いのに余計な事を考えてしまう。
もう一方の足にもダメージを与えようとしたが、見事な足さばきでかわされた。だが、こちらも、そうそう間抜けではない。足の裏が取れなければ、膝を直接叩く。
黒い膝カバーを完全に粉砕。
耳の横をかすめる黒い刃をかわしながら一旦離脱。
シールド目掛けてツルハシを振るう。
黒曜石の騎士のバランスの崩れた足がグニャリと曲がりそうになったが、剣を地面に突き刺して踏ん張る。当然それを薙ぎ払う。
前のめりに倒れた所を、全力で殴りつける。
鎧の背中の部分が粉々に砕けても、殴るのを止めない。
黒いゼリー質の中身は、ゴムのような強い弾力性がある。
打撃ならば吸収されるだろうが、武器はツルハシ、重い突きで、背中を耕した。
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