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「マルアさーん!」
「あ、はい」
寝てた。立ったまま寝落ちしてた。武人だ。
「お休みになります?」
「あ、いえ、まだ大丈夫で、ふあぁ」
「いやもう、限界でしょう」
「そんなことありません、まだガンガンに目は見開いてます」
仮面の下から見開かれているその目は充血していた。
だが、その睫毛は太く長く、大きな瞳そのものは、美しい。
どこかで見たような、よく見ているような目、のような気がするが気のせいのような気もする。それ以前に、あの充血の状態と、ふらつき具合、これから何が出てくるかも分からない状況だから。
「一旦休憩してください」
「まだやれます」
「無理は禁物です」
「大丈夫です!」
「じゃああと一回だベボッ!」
後頭部に激しい鈍痛を感じた。
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