勇者LV.3

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『テリテリテリテリテリテリリッティティーン♪×5』  後方からの鉄球の一撃でザクロのように吹き飛ぶ頭。  そのまましばらくは、シャドウボクシングをして、パタリと倒れたが、体は痙攣を続けた。猿も動揺するようで、その間、阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえていた。  怒りに燃える猿の猛攻撃が始まる。  どう考えても、逆切れなのだが、怒りの矛先は僕に向けられている。  ゴツゴツの錆びついた鉄の棍棒を振る猿。  破戒僧的な冒険者が持っている武器、メイスに近い鉄の塊というかほぼ金棒を、バナナくらいのお手軽さで降る。  硬い岩盤が弾け飛ぶ威力だが、当たらない。  軽くかわせてしまう。  頭脳プレーで僕がボクサー猿を倒したのとほぼ同じタイミングでマルアさんが、もう一匹のボクサー猿の首を跳ねていた。  レベルは一気に上がり、目の前の猿が、ヌイグルミの猿レベルに見える。
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