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目の前に居るのは猿、猿の人形。
動く猿の人形は、僕の邪魔をする。
暴れて騒いで煩い声で。
人形の動きを止める。
ツルハシで粉砕、粉砕、粉砕、粉砕、粉砕、粉砕。
動かなくなった猿も、粉砕粉砕粉砕。
「止めて!」
マルアさんの大きな声で、我に返った。
またやってしまったようだ。
意図的にする事もあるが、今回は違う、余裕があるのにスイッチが入った。敵とは言え、惨いことをしてしまった。
「ち、違うんだ、違う、こ、これは……」
マルアさんは穴を掘っている。
猿の骸をまとめている。
気まずい空気の中、僕も穴を掘った。
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