97人が本棚に入れています
本棚に追加
穴掘りが終わる頃には、無口のピークも過ぎていた。
彼女はもう限界のようだ。
立ったまま熟睡している。
この状態でここに居ては危険。
さっと抱えて、素早く走る。
重厚な鎧を着ている割には軽い。
僕のレベルが上がっているのも原因かもしれないが、女性らしい重さ。
それに、筋肉が柔らかい、あくまで筋肉ですよ筋肉。
彼女、仮面はしているけど、どう見ても美人なんだよな。
それに、どこかで見たような気がしてならない。
仮面を外してみたい。と、思ったりしなくも無いが、紳士の僕はそんな事はしない。隙間から、なんとなく見るだけ。
ああ、やっぱり美人に違いない。どこかで見たような輪郭なのだが、思い出せない、薄眼でマスクの隙間を見たが、分からない。
寝ているのだから少しくらい。
なんて言うスケベ心を押し殺して紳士な態度で彼女を運んだ。
最初のコメントを投稿しよう!