勇者LV.3

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 穴掘りが終わる頃には、無口のピークも過ぎていた。  彼女はもう限界のようだ。  立ったまま熟睡している。  この状態でここに居ては危険。  さっと抱えて、素早く走る。  重厚な鎧を着ている割には軽い。  僕のレベルが上がっているのも原因かもしれないが、女性らしい重さ。  それに、筋肉が柔らかい、あくまで筋肉ですよ筋肉。  彼女、仮面はしているけど、どう見ても美人なんだよな。  それに、どこかで見たような気がしてならない。  仮面を外してみたい。と、思ったりしなくも無いが、紳士の僕はそんな事はしない。隙間から、なんとなく見るだけ。  ああ、やっぱり美人に違いない。どこかで見たような輪郭なのだが、思い出せない、薄眼でマスクの隙間を見たが、分からない。  寝ているのだから少しくらい。  なんて言うスケベ心を押し殺して紳士な態度で彼女を運んだ。
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