勇者LV.3

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 坑道内に現れたダンジョンの入り口、あまり見ないタイプのデザインだ。装飾がきめ細やかで、美しい。魔王城にありがちな禍々しくも滑稽な雰囲気は感じられない。  魔王城は魔王のセンスで作られるらしいので、ここの城主はセンスがあるのだろうな、などと、思わず感心してしまった。  それどころではない状況なのだが。  坑道の中なので規模はいまいち分からないが、あのクリスタルの大きさから見ても、相当な物が築かれていると思う。  入り口のドアが既に巨人サイズだしな。  念の為にこの虎柄のマントをここに置いておこう。  ドアの傍にある魔物の装飾品に虎柄のマントを結び付た。  躊躇せず両開きの扉を押す。  いつも思うのだが、魔王城の扉、なぜ厳重な鍵をかけない。  不用心極まりないよ。  あえて、そうする事によっって誘い込んでいるのかも知れないが、余りのも不用心過ぎる。村の入り口にさえ「ここは○○村だよ」としか言わない挨拶ゴーレムの一人くらい配置しているのに。
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