勇者LV.3

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 いくら、概念的に悪である存在でも、できれば殺したくない。  と思ってはいるのだが、無抵抗で殴られれば、こちらの命が危うい。  いや、確かに土足で他人の城の中に入ってきている、こちら側に非はあるのだが、過剰防衛と言うかですね、こちらは挨拶しているだけなのに、凶暴な武器を振り回されてしまっては、自己防衛しなければならないわけで。  小さな少年が、ゴツゴツの大男に暴行されている。  と言う状況なので、身を守る為にやむなく肉塊の山を築き続けるしかないのです。  これは妹やマルアさんに見せられないな。  モザイク掛けないと良い子の皆さんには見せられない室内。  僕も全身血肉にまみれてしまった。  最後の一匹まで、退かず、正面から向かってきた勇気は称賛に値する。  ただ、なまじレベルの高いモンスターであった為に、僕の頭の中では、激しくレベルアップ音が鳴り続けている。  同様に鎧にも変化が起こった。
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