勇者LV.3

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 鎧が、その表面にこびりついた頑固な汚れを吹き飛ばすように、眩い輝きを放ち熱を帯びる。あっち、あちい、攻撃されるよりダメージが大きい  発光が終わり熱が冷めると、新しい鎧が姿を現した。  全体的にシンプルで無駄がない、ドラゴンを模したかのようなデザイン。  籠手や足の部分に爪らしい物と、背中には羽根を模した飾りがある。  血の池で確認してみると兜もドラゴンデザインが少し入っていた。  初期状態から、明らかに素材も変わっている。  青い陶器のような質感だったのに、今は赤みがかった銀に近い素材。金属だとは思うけれど、驚くほど軽い。関節などの可動部分も、ほとんど抵抗が無く動かせる。と言うよりも、むしろ着ていない時よりも動きがスムーズ。  これは、村の爺ちゃん達に着せてあげたい。  腰痛肩凝りも問題なく動き回れるんじゃないだろうか。  無駄に手の込んだ螺旋階段を上りながらそう思った。
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