勇者LV.3

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 瞼は重いが、意識は鮮明。  鎧の効果もあるのか、体が軽い。  既に、眠さのピークは越えている。  疲労のピークも越えている。  変なテンションのピークも越えたと思う。  否、今はエルフの鼻くらい、テンションが高い。  殆ど蠅蚊と変わらない、小型ドラゴンを叩き落としながら長い長い、幅広の螺旋階段を駆け上る。途中幾つかの部屋を覗いては、レベルの高いモンスターを葬った。  ここは城、と言うより塔に近い。  巨大な螺旋階段を中心に部屋へ続く扉が配置されていて、数階分階段を上ると、区切りとなる天井があり、次の階へ行く門の前で、無駄に大きな魔人像が守っている。  仕掛けは、動き出す前に破壊するのが定石。  魔人像が揺れた瞬間、ツルハシで足を砕く。  バランスを崩したそれは、向かい側のもう一体に倒れ込み、動き出す前に瓦礫に変わった。各所を守る為に配置されている魔人像も、動く前は只のいかつい石像に過ぎない。
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