勇者LV.3

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 粉々に砕けた石像を蹴飛ばし、先を急ぐ。  二階層目には、禍々しいデザインの鎧が陳列されていた。  人間サイズの二倍ほど、金持ちの館やお城に置かれている、飾り用の鎧、なら良いのだが、そんな訳は無く、早速動き出した。  なんで、各フロアに毎回、大群を詰め込んでいるのか。  一度に攻撃できる数は限られているのに。  やたらと図体のデカイものばかり並べるのも効率が悪い。  見た目に比べて、動きは素早いし、一撃でも当たれば、ダメージは大きいが、今の僕から見れば、よちよち歩きの赤ちゃんの方が、手強い。  とりあえず、ハンマーで膝を叩いて砕く。  中身が空っぽな鎧のモンスターだから罪悪感は無い。  完全破壊するまでもなく、戦闘不能状態にしてしまえは、いい。  他の勇者が好んで使う、小綺麗な剣や槍では無く、僕、御用達のハンマーやツルハシで戦うにはもってこいの相手だ。  ただ、レベル差があり過ぎて、戦闘と言うより作業になってきている。  レベル100くらいだったら、この部屋に入って数分で、ミンチにされてしまうのだろうけど、レベル300目前の今、逆に、数分で燃えないゴミの山を築き上げてしまっている。
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