勇者LV.3

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 鉄屑で溢れたワンフロア、相当な重量だが、底が抜ける様子は無い。  繊細過ぎる装飾とは裏腹な、分厚い床材と、中央の巨大な柱が、魔王城と言うか魔王の塔を揺ぎ無く支えている。今のレベルなら、あの柱を破壊する事も可能かもしれない。  あれを壊せば、たぶんこの城は崩壊して、頂上でおくつろぎ中の魔王様も死んでしまわれるのではないだろうか?  ハンマーを大きく振りかぶる。  しかし、この魔王城が崩壊したら坑道もただでは済まないかもしれない。お休み中のマルアさんにも被害が及んでしまうかも知れない。  振りかぶったハンマーを、降ろした。  普段は小細工が好きだが、今は、何も考えず上を目指そう。  絶妙な強さで、絶妙な経験値が頂ける。  このチャンスを逃す手は無い。  降り注ぐ幸運は逃さず拾い集める主義だから。
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