勇者LV.3

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「あら、レスタリオス様、ご立派になられまして」  そこに居たのはホンワカ系の笑顔の女子。  数少ない友人の一人、ホーリー・ダイナマイトだった。  物静かでおしとやかな、雰囲気ではあるが、その行動と体つきは、名前の通りダイナマイト。この近辺の山村ホーリーランドで暮らす聖職女子なのだが。 「ここ、危ないですよ」  いつもと変わらぬ、聖職者の御用達のローブに近い布の服、それでもボディーラインのエロさはよく分かる。何かしらの特別な加護で、防御力は高いとは思うけれど、服は服なんだよね。 「大丈夫です、護身用の武器は持参していますから」 「確かに、その棒があれば、大丈夫ですね」  苦笑いをしている間に、彼女は、身長の二倍ほどある、その聖なる角材を大きく振り、ゾンビとして甦ったブラックドラゴンの頭蓋骨を砕く。  砕けた頭から、全身に眩い光が伝わり、数秒で粒子となって消え去った。  恐ろしい破壊兵器と、可憐な少女とは思えない戦闘センス。  ちょっとくらい有名な戦士や勇者では、足下に及ばない強者である。
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