勇者LV.3

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 装備品を形作る素材そのものよりも、装備品から放たれる何かしらの力によって、汚れを弾き飛ばしているのかもしれない。  ただ、ホーリーさんの場合、装備品では無く彼女自身がなにか、そういった超自然的な力を自然と放出しているような感じがする。  レベルの低いモンスターは彼女に近づく事すらできない。  レベルが高いモンスターでもアンデット系は彼女の存在を感じると消え去る。  移動式天国、と言って差し控えない存在かもしれない。 「レスタリオス様は、相変わらずお疲れのようですね」 「ええ、まあそれなりに」  疲労感はあるが大きなダメージは無いが切り傷擦り傷打ち身はある。  それにきっと、目の下のクマが酷い筈。  彼女は、何やらお祈りを捧げている。 「さあ、参りましょう」 「え?」  一祈りで、すっかり軽傷は癒され疲労感もすっ飛んだが、参りましょうって。 「あのぉ? 参りましょうって?」 「勿論、最上階ですよ」 「いや、ここ、魔王城なんですが」 「はい、悪い子にお説教するのも、私の役目ですから」
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