勇者LV.3

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「ジュッジュワッ」  光線に触れた瞬間、床にこびりついた肉が蒸発して消えた。  ほんのりと良い匂いがしたが、気分は、最悪だった。  腹話減ってきたが、空腹の胃から酸が、こみ上げそうになる。 「次行きましょう」  ホーリーさんは、まるでピクニック中でもあるかのように、楽しそうだ。  年中頭の中が天国のような聖女だから、僕が見ている惨状とは、また別の光景が見えているのかもしれない。  意気揚々と、奥の階段を上って行った。  さっきの紳士部屋は休憩場所だったのかと思うほど、次の階は、本気で攻めてきていた。屈強な戦士のゾンビが襲い掛かってくる。  全身鎧で身を固めてはいるけれど、その隙間から見える体は腐っているし、そうでなくとも、ねばついた腐敗臭で、鮮度の悪い連中だと気が付く。
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