目覚めはゼロな鬱勇者

勇者LV.3

　ベテランゾンビ兵団そのものと、その装備は、ほぼ光線で浄化されたけど、おじさん特注のソードブレイカーと、首から下げていたネームプレートは、その場に残った。呪いがかかっている様子もなさそうなので、形見に頂いておこう。

　剣としては歪だが、僕の持つ武器としては、一番武器らしい武器かもしれない。

　刃はギザギザで武器を壊す為の武器。通常ナイフサイズの武器だけど、このソードブレイカーは、１メートル程、ロングソードの部類に入るだろう。

　殺傷能力が高い上に、魔法に対する耐性？　か何かの魔力も秘めている。それに、通常片手では持てないサイズのはずが、ナイフ並みに軽い。素材そのものが、魔力を秘めた金属なのかもしれない。

　おじさんは百戦錬磨の冒険者だったので、うちの倉庫以上に、珍しいアイテムを沢山持っていた。残った家族が、そのほとんどを売りさばいたそうだが、その一部は勇者村で、買い取って保管している。

　おじさんの死亡は確認したので、この冒険が終わったら、お墓にネームプレートを供えに行こう。