勇者LV.3

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 丸い部屋の外周をぐるりと回る螺旋階段、サイズは数人が横並びでも駆け上れるキングサイズ。段差も高くなくて、村のお爺ちゃんでも無理なく登れる新設設計なのだが、次の階までの段数が尋常ではない。  他の階より光源も無く、さっき開いた壁からの日光が、一番の照明にはなっているが、階段を上ると、途端に薄暗かった。  戦闘しているより階段を上る方が体力を使う。気がする。  段差が少なく、各段の幅が広い為、歩幅が必要になる。  運動量は、段差の酷い階段と変わらないかもしれない。  今までの階段と違ってザコモンスター等のオプションは無い。  ただただ退屈な階段が、ぐるりと続いている所を二人で駆け上っている。  それにしても、いったい何段あるんだこの階段、もう、次の階についてもいい頃なのに、全然風景が変わっていないような気がする。もう十分以上は階段を上り続けているのだが。 「勇者様!」  足を止めたホーリーさんが、大き目の声を上げたので振り向く。
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