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「なんだこれ?」
今更ながらのトラップに困惑した。気付かなかった自らに落胆した。
ホーリーさんの声で、足を止めて分かった。階段が動いている。
ハイペースに、階段が動いている。
僕達が上った分、階段は下がり、新しい階段が継ぎ足されている。
機械的な動きだが制御は何らかの魔法だろう。
ゆっくり階段を上ると、ゆっくりと階段そのものが下がるようだ。
上るのを止めると、階段の動きも止まる。
階段を下ると、階段が上がって行く。
勢いだけで階段を上っていた僕は、この仕掛けに全く気付かなかった。
「勇者様、どうしましょう?」
「下るにしても、下れなくなってるね」
「このまま、永遠に階段を上らなければならないのでしょか?」
「否、大丈夫です、二人いるから、なんとかなりそうです」
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