97人が本棚に入れています
本棚に追加
「ホーリーさん、申し訳ありませんが、階段を下って貰えますか?」
「え、あ、は、はい?」
ホーリーさんが階段を下り始めると、階段は、上るように動き出した。
そうすると、動いていない僕は自動的に、上の方へ運ばれる。
細かな原理は分からないが、階段の昇降に反応して階段そのものが動いている。というルールは、直ぐに理解できた。
そういうルールなら一人が動いて、一人が、その場に止まれば、いいんじゃないか。単純だけど、たぶんそういう事だろう。
昨日も似たような一人では永遠に彷徨うようなトラップに惑わされていた。あの時は、強引に機構部分を破壊して、脱出したが、今回はスマートに回避できそうだ。
ホーリーさんの脚力のお陰もあるが、ものの数分で、次の階の入り口が見えてきた。
「ホーリーさーん、ありがとうございます。少々お待ちください」
「はーい。しばらく、こちらにいらっしゃる方々と戯れています」
しまった。さっきの階に増援が。
そして目の前に、中ボスっぽい強面がいる。
最初のコメントを投稿しよう!