勇者LV.3

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 ローブを着た小柄なレッドゴブリンが、魔法攻撃。  もう一体は、防御系の魔法だか、呪術だかで、ガードを固めている。  連携の取れた良いパーティーだ。  しかし、僕にとっては厄介極まりない。  ダンジョンで人間のパーティーと遭遇するモンスターの気持ちは、こんな気持なのだろうか。単独行動の場合、相手が同じタイプの敵より、バラエティに富んだ一団の方が脅威に感じる。  単体なら瞬殺できると思うが、そうは簡単にクリアさせて頂けそうにない。 「ちょっと、道に迷ったみたいで、でへ」  頭を掻いて、とびっきりのアホ顔を晒した。  同じようにアホ面で突っ立つゴブリンたち。  隙を突いて、階段の制御装置をハンマーでスクラップにした。  日頃、他の勇者やチビッ子達に、ダサいと言われている、工具系の武器を主に扱っている僕だが、こういう時には、工具で良かったと思える。魔王城やらダンジョン、よく壊すから、ダンジョンブレイカーなんて呼ばれる事もある。
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