勇者LV.3

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 ゴブリンの追撃を避けながら、猛ダッシュで螺旋階段を下る。  背後からの魔法や弓矢は、見事に壁を崩していった。  階下から響く阿鼻叫喚を耳に入れながら、彼女の元へ急ぐ。 と言うほどの距離も無く、直ぐにその惨状は目の前に現れた。 「ちょ、これは一体」  一体何だったんだろうか分からない塊が床一面に広がる。  流石の僕も、一瞬、動きが止まった。  階段を転げ落ちるように下ってきたゴブリン団も、階段を下りる一歩手前で動きを止めた。 「むごい・・・・・・」  ブラックゴブリンはその一言を発したままで動かない。  他のゴブリンも怯えているようだ。  そうだろう、この惨状を見れば、大概の者はそう思うだろう。
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